地学オリンピック 2022 振り返りとこれから受ける人へ
Twitterでは物足りないと思いブログを書いてみることにしました。内容は僕の体験談、そして地学オリンピックを志す人へのアドバイスです。普段は文を書き連ねることはないので、稚拙な文章ですが、温かい目で見てやってください。
対象:地学オリンピックに興味がある方、これから地学オリンピックへの勉強をしようと思っている方、暇な方
⓪ことはじめ
僕は2005年生まれ、現時点でもうすぐ高2になる者です。開成高校というところに通っています。引かないでください。そこらへんにいるお茶目な高校生です。
最近は地学に興味があり地学オリンピックという科学オリンピックの一つに出て、本選まで行ってきました。
さて、この記事を読んで頂けているということは、なにか地学に関心があってたどり着いた、または僕がどんな恥さらしな文章を書いたか見に来た同級生、のどちらかであることでしょう。この2択に漏れる人は、恐らく暇なのでしょう。
では、そんな皆さんの手助けができるよう、恥さらしな文章を地学オリンピックに関する僕の経験を書いていきたいと思います。
僕の経験談を通して、地学オリンピックや地学、さらには学習全般に興味をもっていただけたら幸いです。
①よびみず
受験
そもそも何で地学というものを勉強しようと思ったのでしょうか。ご存じの通り地学は(現在のところは)マイナー教科です。地学基礎を共通テストで受ける人はまだいるものの、基礎を付さない地学を受験する人は稀有です。稀有。
下のグラフをご覧頂ければそのマイナーさが一目瞭然です。
起源
そもそも何で地学というものを勉強しようと思ったのでしょうか。(二回目)
僕の場合は、中学校の理科の先生が、科学の学習系のイベントに詳しく、その先生のおかげで学会風の発表や科学の甲子園ジュニア(の予選)などの体験をさせてもらい、その中の一つに地学オリンピックがありました。
「地学」という未知の領域と、「オリンピック」という響きが僕の心を引き寄せていたような気がします。
また、修学旅行で長瀞に行ったときに地学を学習したのも興味をそそりました。*1脚注:脱線話
初陣
さて、まず最初の地ロリ*2受験は中2の時です。勉強には中学校の資料集と数研出版の地学図録*3を用いました。高校の教科書など眼中にもなく、書店で地学図録を見つけたときは運命の出会いをしたかのような気持ちでいました。
後で考えてみると、少ない教材でよく頑張ったな、という感じです。
高校の教科書は必要最低限の知識がまとまっていてそこそこ偉大ですよ。中学生の方はメルカリで買ってみるといいかもしれません。おすすめです。
予選を東大の本郷キャンパスで受験できたので、高揚していました。樹木も黄葉していました。
ちなみに結果はぎりぎり奨励賞だったと思います。(200位以内)先生や親にちょっと褒められて嬉しかったです。
受験
中3の地ロリは、高校受験に専念するためエントリーしませんでした。オンライン予選のころは、9月から通い始めた早稲田アカデミーの、必勝講座か何かに行っていたと思います。あれは大変でしたねー(棒)。
②やうやう
再会
さて、高一の10月になり、いよいよ地ロリと再会しようというところ。とりあえず出場を申し込んで、高校の地学基礎の教科書を丸読みしました。あと、地学の教科書(啓林館)もメルカリで買って少し読みました。(少ない、、、)
完全な準備不足で迎えた一次予選。オンライン予選ということもあり緊張感がなく、「ま、いけるっしょ!」という半端な気持ちで受けていました。
後々、一次予選の結果が二次予選、さらには本選の材料になることを知ることになるのですが、、、
結果は確か80位とかでした。ここでまじめにやっていれば、、、
反省
一次が二次に響くと知り、二次試験を通過することに危機感を覚えたので、地学の教科書を一周し、過去問を目で二回分解いて試験に向かいました。(え)
結果は確か50位*4とかでした。ここでまじめにやっていれば、、、
という茶番は誰も得しないので、ここで僕から一つ教訓を。
どうせやるなら予選からやれ
③しんずい
準備
さすがに本選前は勉強しました。具体的には、地ロリの本選の問題を12回分解き、わからないところは調べるといった感じです。この勉強法が最短距離かはわかりませんが、①誘導に乗って計算する力、②地学の典型問題に慣れる、という点で優れていると思います。
他には、化石岩石鉱物の標本問題に向けて図書館で本を借りて読んだり、国立博物館のB2階で実際に岩石、鉱物、化石をみたりしました。*5
本陣
本選は2泊3日、つくばで開催されます。
2泊3日!?
って感じです。正直めっちゃ楽しみでしたよね。だってお泊りがあるんですもの。
資料集や教科書やらを読んで60位に滑り込めば、「研究学園都市筑波で日本地学五輪大会宿泊型本選且つ地学体験」ができるのですから、地ロリはすごいです。これは後々気が付くのですが、今まで中途半端だった(学問として、問題用紙として捉えていた)地学が、本選を通して少しづつ本当の興味に変わっていくのでした。
本陣-1日目
こんな事件*6やら、あんな事件*7もありましたが、なんとかホテルに着いて、とっぷ・レクチャーという地学の最先端をゆく先生方のご講義をZOOMにて聞きました。
ZOOMなので軽く日本語のリスニングテストではありましたが、興味深さを少し感じました。
ここで初めてTwitterでのエンカ*8をしました。Twitterと現実の人物が繋がるのは、違和感しかなかったです。
最初に出会った(エンカした)、2年生の方とはとても仲良くなり、その日の夜の自由時間にその方のお部屋で2時間ほど翌日の試験のことや大学受験について話しました。
また、ホテルとコンビニには少し距離があり、そこを一人で行くのは寂しいので、Twitterで募集がかかりました。十名ほど集まってみんなで話しながらコンビニへ行って交流できました。(コンビニ交流会)
このように順調に交流をすることができました。*9
交流が順調だったのでトランプをしようと思いましたが、さすがに次の日は試験なのでホテルでは勉強をして、12:30頃に就寝しました。
本陣-2日目-1
二日目、朝食より一時間ほど早く起きて本選の詰めの勉強をしました。偉いです。逆に言うとこの三日間で一番偉かった瞬間でした。あとは夜更かし祭りなので。
また、ここで伝説のツイートが生まれました。
た た き お こ す よ☄ #jeso2022
— 地学オリンピックOB/OG会 (@JESO_obg) 2022年3月13日
さて、バスで本選の会場に向かいます。今度のバスは#jeso2022バスギチギチ事件のバスではなく、謎の装飾が施された中型?大型?バスでした。荷物がないときに大型で、荷物があるときにマイクロなのです。人生そんなもん。
事前に配られた紙には、会場は鷹寿司と書いてあり、「ん?」という感じでしたが、着いてみると本当に寿司屋でした。寿司屋の大きな部屋(宴会場?)を借りて使った感じですね。
マジで寿司やなんだな...
— しさく (@sisakusub) 2022年3月13日
対戦よろしくお願いします pic.twitter.com/ECCiTQ01LY
緊張して中に入ると、皆さんも緊張した様子でした。ちょっとした微笑ましい事件*10を挟んで試験が始まりました。
試験は、例年固体地球 地質 気象 海洋 天文 標本鑑定が30分ごとに分かれて行われるのですが、今年は全部まとめて3時間、解く順番はご自由に、という感じでした。個人的には得意なところを早く終わらせられ、苦手なところに時間を掛けられるので好きでした。
本陣-2日目-2
試験の感想としては、そこそこ解けたのでは?でした。今思うと何を根拠に、ですが、まあ地質の問題で、1/8=0.25としたくらい(本当は1/8=0.125)で終わった、、と呟いているくらいなので、調子に乗っていました。
得点分布表などがなく、比較対象が過去の自分しかしかないので、まあそういった感想を持つのは仕方がないのかもしれません。
試験が終わってしばらくすると、後ろのほうの席で二、三人人が集まっていました。TLを見るとエンカが発生していたようで。交流したかったので、リプも送らずに飛び込んでみました。
二人、三人、四人と集まっていき、最後には10人くらいになっていました。
エンカ!! pic.twitter.com/5rY0tO5hqs
— 麻玄 稟/Maclauring (@Makuro_rinn) 2022年3月14日
試験の感想について話した後、こんな感じで例のエンカ撮影会もして、温和なTwitter勢の交流を楽しみました。(寿司交流会)
本陣-2日目-3
本選が終わると、二班に分かれて科学博物館or地質標本館の見学です。僕は科学博物館の班でした。科学博物館というと上野のものを想像しますが、つくばにはその一般公開していないver.である保管庫を見ることができました。また、実際に研究が行われている研究室も見学させていただきました。
貴重な経験でした。
本陣-2日目-4
ホテルに戻ると、OB・OG交流会というZOOMで地ロリOB・OGの方のお話を聞く時間がありました。大学やその先での研究の様子が生で伝わってきました。
さて、それが終わるといよいよ参加者同士での交流会です。この時点で22時でしたが、時刻など高校生の心には関係ありません。
前日のようにコンビニ交流会を行いました。募集をかけると、10名ほどが集まりました。コンビニへの行きには市川の方と受験の話を、帰りには開成の先輩と運動会の話をしました。
コンビニ界隈です、もうすぐ出発 pic.twitter.com/KZRhhU1URx
— しさく (@sisakusub) 2022年3月14日
また、帰ってきてからはある方の部屋でUNOや大富豪をしました。*11くだらないことから地学に関する真面目な話まで、とても有意義な時間でした。こんな時間がずっと続けばな、、、と思いました。
主に灘のお二人、海城の方、和歌山からの方とお話していたのですが、話が盛り上がりすぎて、泣くほど笑いましたね。遠くに住んでいても、学年が違っていても、地学が好きな仲間として同じ時間を共有できて感動的です。
そんなこんなで楽しい時間も終わり、ベットに倒れこみました。
本陣-3日目
僕はなんとか起きられましたが、さすがに昨日の夜更かしのせいか、た た き お こ☄ ©された人もいたようです。
3日目はジオ散歩と表彰式。特筆することもなくスムーズに終了しました。
表彰式では名前は呼ばれませんでした(メダルは獲得できませんでした)。自分としてはうまくできたかな!?と思っていただけに、残念でしたが、努力がまだまだだったな、と反省しています。
いよいよ別れの時がやってきてしまいました。たった三日間でしたが、大切な友達となったので、もう(少なくとも1年間は)会えないと思うと、目が潤みました。
最後に海城の方と一緒にラーメンを食べて*12、お別れしました。
あと、寂しいので、よく話したメンバーでLINEグループを作っておきました。
④むすび
感懐
長々と書き連ねてしまいましたが、あの三日間は全部僕にとって新鮮で、見たことのない世界でした。学問を通して繋がって、交流することはとても楽しいことだと気が付きました。
地ロリ以外にも、いろいろな科学オリンピック、数理の翼、科学甲子園などの大会があることを知りました。もちろんそれらに出場、参加するのは容易いことではありませんが、レベルの高い仲間が集まって学びあっていくのはとても素晴らしいな、と感じたので、少なくとも来年の地ロリは参戦したいと思います。
この記事を見て少しでも興味が湧いてきた方は、(自分の興味にあった大会を見つけて)勉強して参戦してみるのはいかがでしょうか。
深謝
この場を借りて、地学オリンピックや理科に興味を持たせていただいた中学校の理科の先生、支えてくださった両親、高校で地学を教えてくださった先生、そして地学オリンピックを開催していただいたOB・OGの皆さんや先生方に感謝させて頂きます。ありがとうございました。
展翅
最後に、地ロリの勉強によいと思ったサイトや、この記事に関連するサイトのリンクを貼っておきます。
krankenlaboratory.hatenablog.com
最後まで読んでいただき有難うございました。宜しければ最下部の☆ボタンやコメントを書いていただけると喜びます。
以下は脚注です。
*1:(これは最近弟妹の成長を視ていても思うことなのですが、一見『将来の何につながるんだろう』と、疑問に思うような経験(ex.泥んこになってカマキリを捕まえる、普段行かない場所へ旅行につれていく)でも、のちのちその経験がかならず生きてくるので、小さいころから勉強に関係ないことも、知的探求心を伸ばすことも、なんでも全力になって取り組ませる環境を築くことのほうが、小さいころから塾に『通わせておく』よりも良いかもしれません。よく難しい問題を「センス」で解く人がいて、天才といわれますが、元をたどるとその人の知的経験値だったりします
*2:地学オリンピックのことを地ロリと言うそうです。ちょっとあれですね。
*4:本選出場が約60位までなので、ギリギリです。結果発表前、普通に落ちたと思って、怖くて半日見れませんでした。
*5:本選に出場してから、実地経験が少なすぎたことを実感しました。僕のように、学問としての地学→興味が湧いてきた、のパターンとこうなるのかもしれません
*6:集合時間の10分前に集合場所から少し離れたショッピングモールのフードコートで唐揚げを5個食べ、爆走して集合場所にもどるという個人的な事件が発生しました
*7:集合場所からホテルに向かうマイクロバスが、人数分の席しかないので、スーツケースのスペースがなくギチギチでありました(#jeso2022バスギチギチ事件)
*8:エンカウントの略で、SNSでやり取りをしてから実際に会うこと
*9:交流の反対語である直流とかけて、他の人と交流していない人は、自分のことを直流と言っていました、センスがすごい
*10:試験の始まる3分前に、試験監督の先生が「トイレに行きたい方はささっと今行ってください」というと、15人くらいが立ち上がり、会場は笑いに包まれました。このとても和やかな雰囲気が好きです。
*11:窓を開ける、人数を制限する、など、部屋主さんが感染対策には気を遣ってくださいました
*12:私たちは男二人でラーメンに食らいつきましたが、どうやら羨ましいお昼を楽しんだ方もいたようで、、?おしあわせに